ダイハツ エッセくん DBA-L235Sを 重ステ(パワーアシスト無しのステアリングラック ギヤボックス)にします。
アジト(おうち)のエッセくんは、前輪駆動モデル L235S 2007年式(平成19年)の5速MT車です。他車種の部品を流用することで、油圧パワステから重ステに(切ったり貼ったりは不要の 完全な ポンづけで)換装することができます。
重ステ化に絶対に必要な部品その1は、電動パワステ用の ステアリングラック ギアボックスです。
ステアリングギヤASSY ダイハツ純正品番:45502-B2232
部品番号(45502-B2232)と 部品番号(45502-B2030)は、おそらく互換性があります。部品番号(45502-B2232)の代替互換部品として 部品番号(45502-B2030)がリストされているwebページ(モノタロウのリビルト品)もあります。
重ステ化に絶対に必要な部品その2は 電動パワステラック用の ステアリングシャフト ユニバーサルジョイントASSYです。
ステアリングシャフト ユニバーサルジョイント ASSY ダイハツ純正品番:45290-B2020
▲↑▲ このように ステアリングラック(ギヤボックス)側のシャフトの径が、元々装着されている油圧パワステラックと、換装する電動パワステラックで異なります。
▲↑▲ 上記の2つの部品以外は 劣化していなければ 交換は不要で、電動パワステ用のギアボックス(重ステラック)に換装が可能です。ステアリングシャフトが通る部分のゴムブーツも 不自然な変形なく 完全に元通りに 復帰することが可能でした。
ここまでの情報を調べるために みんカラとカーチューンに掲載されている先駆者たちのメモを読みあさりました。本当にありがとうございます。
また、今回どうしても部品番号が分からない部品があって、最近お世話になりつつある車屋さんに教えていただき 取り寄せていただきました。本当にありがとうございます。感謝しています。
以下 ウダウダと記録を残します。長いです。
エッセを重ステにする 重ステ化
エッセの前に乗っていた車が重ステでした。ステアリングから伝わってくる豊富な情報を感じる楽しさが忘れられず、簡単に重ステ化できそうな車種として L235S エッセを選びました。
エッセは グレード オプション問わず 全車種に油圧パワーステアリングを搭載しています。
(エッセと同じプラットフォームで開発された)他車種に搭載されている 電動パワーステアリング用の ステアリングラック(ステアリング ギヤASSY)と、もともとエッセに付属している 素のステアリングコラム部分(チューブASSY)を組み合わせることで、エッセを重ステにすることが可能です。
(エッセと同じプラットフォームで開発された 他車種に搭載されている 電動パワーステアリングユニットは、ステアリングコラム部分に モーターやトルクセンサーなどの パワステユニット一式が組みこまれているタイプ。なので、電動パワステ用のステアリングラック ギアボックスの部分は、何もついていない重ステラックそのもの。)
馬(ウマ)に 載せます。
ユニバーサルジョイントを取り外す
エッセに もともと組みこまれている 油圧パワーステアリングユニットを取り外します。
ステアリングコラム(チューブASSY)と ステアリングラック(ギヤASSY)を切り離すために、ステアリングシャフトのユニバーサルジョイントを 取り外します。
▲↑▲ ステアリングコラムの根本のカーペットをめくります。
▲↑▲ 樹脂のカバーを外します。
▲↑▲ ステアリングシャフト ユニバーサルジョイントを外します。2本のボルトの締めつけトルク 24.5 ± 4.9Nm
▲↑▲ ステアリングコラム チューブ側は このように抜け止めがついているので、ボルトを完全に外さないと ユニバーサルジョイントが 取り出せません。
▲↑▲ 上側が これから取りつける部品(45290-B2020)で、下側が 今までついていた部品。今まで使っていた ユニバーサルジョイントは ジョイント部分にガタが 少し出ていて、ゆするとカタカタする感じに消耗していました。
パッと見の見た目は同じですが 油圧ラックと電動ラックで ラック側のシャフトの径が異なるため、重ステ化に ともなって 交換する必要があります。
パワステポンプを取り外す パワステ撤去
パワステポンプを固定しているボルトを2本外します。
▲↑▲ パワステポンプの固定ボルトは、上側から見やすい位置に1本。
▲↑▲ もう1本は エクステンションを使わないと 工具が かけにくい位置にあります。
▲↑▲ パワステポンプに ささっている配線(パワステプレッシャースイッチ?)を 取り外します。
▲↑▲ このようなタイプのカプラーが使われています。
(これは パワステポンプに内蔵されている パワーステアリングの油圧の高低を検知する(油圧)センサーの配線です。パワーアシスト作動時に油圧の上昇を検知し アイドルアップを行い パワステポンプの回転数を上げて 油圧を保ち パワステを正常に作動させるための センサーです。クワシイコトハ ヨク ヨクワカリマセン。)
▲↑▲ パワステポンプから 外した後のカプラーと配線は、(恐らくプラス線なので)短絡しないように注意しつつ、ぷらぷらして異音の発生源にならないように、その他の部品と干渉しなさそうな部分に 固定します。
パワステ用の配管とタンクを取り外す
パワステポンプと ステアリングラックの間の配管を取り外します。
▲↑▲ 下側から切り離します。
▲↑▲ オープンスパナでは なめてしまいそうなくらい固着していました。クローフットレンチを使って ナットを緩めます。
▲↑▲ パワステオイルが 配管を伝わって たれてくるので、受ける必要があります。
▲↑▲ パワステフルード(パワーステアリングフルード)のリザーブタンクを ボルト2本を緩めて 取り外します。ホースバンドをずらして 配管も取り外します。
▲↑▲ パワステポンプにつながる配管も ホースバンドをずらして 取り外します。
▲↑▲ ホースを取り外すたびに パワステフルードがたれるので、汚さないように気をつけます。
▲↑▲ パワステポンプにつながる パワステ配管を取り外します。
▲↑▲ こんな形の ガスケット(パッキン)が 使われていました。
▲↑▲ ブレーキブースターを固定するナットで パワステ配管を固定するためのブラケットも 共締めされています。ブラケットには 触らずに 配管を固定してるクリップだけを 取り外しました。
▲↑▲ 取り外したパワステ配管 パワステポンプ パワステフルードのリザーブタンク。
約10万キロ近く お疲れ様でした。
もともと パワステポンプがついていた付近が すっきりしました。
パワステラックを取り外す 失敗編
油圧パワーステアリングラック ギヤASSYを取り外します。
▲↑▲ タイロッドエンドを止めているナットを 緩めます。締めつけトルク 41.7 ± 12.2Nm
▲↑▲ ステアリングラックを取りつけているボルトを緩めてしまうと、タイロッドエンドを止めているナットを緩めるトルクをかけにくいので、タイロッドエンドを先に外しました。
▲↑▲ ステアリングラックを止めているボルトを 左右で2本ずつ 緩めて外します。助手席側 締めつけトルク 63.8 ± 12.8 Nm
▲↑▲ 運転席側と 助手席側で ボルトの形状が異なります。運転席側 締めつけトルク 63.8 ± 12.8 Nm
▲↑▲ 右側が 助手席側のボルト、左側が 運転席側のボルトです。締めつけトルクはどちらも同じようです。
▲↑▲ 助手席側は このようなゴムブッシュが ついていました。
▲↑▲ 助手席側のステアリングラックのゴムマウント、ステアリングラック ハウジング グロメット ダイハツ純正品番:45517-B2010
▲↑▲ 金属のステー(ブラケット?)は 前後方向の向きがあります。ステーに切り欠きがあって 取りつけ穴が大きい方が 車両の後方側です。
▲↑▲ このゴムの部品は 溝に ハマっているだけです。
▲↑▲ ゴムの部品は つくようにしかつかないので 切らないように 取り外しました。ここまでの工程で ステアリングラック ギヤボックスは 完全にフリーの状態です。ですが、フロントクロスメンバーと ボディに はさまれて、ステアリングラック ギヤASSYを取り外すことができません。
▲↑▲ この部分に ジャッキをかけて フロントメンバー(クロスメンバー?)が 落ちてこないように 支えます。
▲↑▲ クロスメンバーを取りつけているボルト 前側は 15mm ゆるめます。締めつけトルク 118.0 ± 12.0 Nm
▲↑▲ クロスメンバーを取りつけているボルト 後ろ側は 完全に取り外します。締めつけトルク 118.0 ± 12.0 Nm
▲↑▲ 前後左右とも クロスメンバーを締結しているボルトの周辺は 錆び錆びでした。また、とんでもないトルクで締まっていて 作業の数日前から ラスペネを流しつつ ボルトを緩めました。
サービスマニュアルを読む限りでは、クロスメンバーを 完全に取り外さなくても ステアリングラック ギヤASSYは 取り外せるはずです。なんですが、クロスメンバーと ボディの間に はさまって 抜けません。なぜ。
▲↑▲ しょうがないので 15mmだけ ゆるめる 指示があった クロスメンバーの前側を止めるボルトを 完全に抜き取りました。
クロスメンバーに リヤ側のエンジンマウントが締結されているので、クロスメンバーを経由して エンジンの重さを ジャッキで支えているような状況です。
エンジンの周りを確認しつつ エンジン本体とボディに接続される部品(例えば シフトロッドとか ラジエターホースとか)が ピンピンに張りつめないように気をつけつつ、落とせるところまで クロスメンバーの位置を下げていきます。
▲↑▲ これで ステアリングラックが取れるはず・・・なんですが。クロスメンバー(フロントメンバー)の位置を これ以上下がらない場所まで 下げても 取れません。なんで。どうして。どうしよう。
▲↑▲ この部分が ひっかかって パワステラックを摘出することができませんでした。(これは 重ステラックを取りつけるときに撮った写真です。)
さて、ステアリングラックが 取り外せず 途方にくれました。ちょっと疲れたので 休憩に 海を見に行きました。
パワステ関係をオーバーホールしたということにして 元に戻してもいいのですが、高価な重ステラックを買ってしまったので、もうちょっとがんばろうと 考えを改めます。
▲↑▲ クロスメンバーをさらに動かすために リア側のエンジンマウントの固定部分(ミッションとつながっている部分)の構造を 確認していたら、エンジンマウントを固定する(ボルトに対する)ナットが 脱落していることに気がつきました。(うそーん。)
▲↑▲ 納車されたときから、エンジンが揺れるたびに(キュッキュッという)音がすることは認識していました。リア側のエンジンマウントが ヘタっていて、そのせいで音が出ているものだと 思っていましたが、ナットが家出していました。
ボルトの錆び具合からの想像するに、かなり前から このような状態だったのでしょう。おそろしい。
というわけで、ステアリングラックを取り外すついでに、リア側のエンジンマウント(エンジンマウンティング リヤ インシュレーターASSY)も 交換することにしました。
(エッセくん えぴそーど17)エッセに重ステラックを取りつける ⇒ エッセを重ステにしました 重ステ化 後編
(エッセくん えぴそーど15)ハイリフトペダルカバーを自作する ⇒ エッセのドラポジを 1ノッチ後ろに下げる