エッセを重ステにしました パワステレス 後編

+ + +

ダイハツ エッセくん DBA-L235Sを 重ステ(パワーアシスト無しのステアリングラック ギヤボックスに換装)にします。の続きです。

アジト(おうち)のエッセくんは、前輪駆動モデル L235S 2007年式(平成19年)の5速MT車です。

他車種(エッセと同じプラットフォームで 電動パワステ搭載車)の部品を流用することで、油圧パワステから重ステに(切ったり貼ったりは不要の 完全な ポンづけで)換装することができます。パワステレス、油圧パワステを撤去するということです。

▲↑▲ ステアリングラック(ギヤASSY)の この部分が ひっかかって ラックを車両から降ろすことができなかったところから お話を続けます。(前回のお話) ⇒ エッセを重ステにします 重ステ化 前編

フロントメンバー(クロスメンバー)を さらに下げるために、リヤ側のエンジンマウントの取りつけ部分を観察していたら、リア側のエンジンマウントの取りつけナットが脱落していることに気がつきました。

▲↑▲ 家出(脱落)していた リヤ側のエンジンマウントの取りつけナット(おそろしい)。見つかって良かったことにして、リヤ側のエンジンマウントを交換しつつ、クロスメンバーを 自由な状態にして、ステアリングラックを抜き取る作戦に変更します。

エンジンマウント リヤ側を 取り外す

リア側のエンジンマウント(エンジンマウンティング リヤ インシュレーターASSY)を取り外します。

▲↑▲ リヤ側のエンジンマウントは、ミッション(ミッションケース?)と クロスメンバーを つないでいます。

▲↑▲ ブレース サブASSY(ブレースバー?のようなもの)を 取り外します。

▲↑▲ 3本のボルトで 取りつけられています。ツバの有無と ボルト頭の刻印と ボルトの呼び径M10から判断して 締めつけトルク 32Nm(ツバ有りだと 43Nmが サービスマニュアルには 指示されています。)

▲↑▲ マフラーハンガーを 取り外します。

▲↑▲ シリコンスプレーを吹くと 外しやすいです。

▲↑▲ コントロールシャフトASSY(ギヤをチェンジする方の棒 上側)と、シフトレバー ハウジングロッドASSY(ミッションケースに締結されている棒 下側)を 取り外します。

▲↑▲ ボルトの締めつけトルクは 3本同じで 23.6 ± 6.8 Nm。3本とも 再使用不可部品です。

▲↑▲ シフトロッドと コントロールシャフトが だらんと たれてくるので、無理な力が かからないように 支えます。

▲↑▲ クロスメンバーが下がり パワステの配管が外れたステアリングラックは ある程度自由に動かせるため、この方向から リヤ側のエンジンマウントの 取りつけボルトに 工具をかけることができます。

▲↑▲ 締めつけ時も このように トルクレンチを いれることができます。

▲↑▲ 上側からささる 3本のボルト 締めつけトルク 36.8 ± 7.4Nm

▲↑▲ 脱落していたナットに対するボルトの 締めつけトルク 45.6 ± 9.1 Nm

▲↑▲ ミッション後方に ジャッキをかけつつ メンバーをゆすりながら 横方向にささるボルトを引き抜きます。

▲↑▲ 取り外した リア側のエンジンマウント(エンジンマウンティング リヤ インシュレーターASSY)

車体の下にもぐって クロスメンバー(フロントメンバー)の位置と エンジンの位置を 調整しながら 最後のボルト(水平方向のボルト)を抜く必要があります。コツをつかめば そんなに難しくはありませんが、はじめてだったので 時間がかかりました。

▲↑▲ 新しい部品達。(エンジンマウント リヤ側 ダイハツ純正品番:12380-B2012)(ナット ダイハツ純正品番:90041-79280)(ボルト ダイハツ純正品番:90041-05299)

このナットの品番が分からず、最近知り合った車屋さんのお世話になりました。本当にありがとうございます。

パワステラックを取り外す パワステ撤去 成功編

リヤ側のエンジンマウントが外れると いよいよ クロスメンバーが 自由になります。

▲↑▲ この部分を 余裕をもって かわして、パワステラックを 取り外すことに成功しました。

ようやく パワステラックが 外れました。この部分が 最大の難関でした。これで 俗にいう パワステレスの(パワステが撤去された)状態になれそうです。

疲れたので ちょっと休憩です。作業が進み 晴れやかな気持ちで休憩します。

冬は 気温が低いので 空気の飽和水蒸気量が少なくなり、水蒸気や それに付着するミクロなチリなどの 視界をさえぎるものが減少し、遠くまでハッキリとよく見えます。

▲↑▲ ダイハツの 電動パワステ用のラックは 車種と年式によって 数種類存在するらしく、この部分の形状が 同じものを 購入する必要があります。エッセを重ステ化するために必要なラックのダイハツ純正品番:45502-B2232。

▲↑▲ 助手席側の マウント部分。

▲↑▲ このように ステアリングラック ギヤASSYから 飛び出しているシャフトの径が 油圧パワステ用と 電動パワステ用で ことなるため、ユニバーサルジョイント(ステアリングシャフト ユニバーサル ASSY)も 交換する必要があります。(ステアリングシャフト ユニバーサルジョイント ASSY ダイハツ純正品番:45290-B2020)

▲↑▲ ステアリングシャフトの長さや ボディとの接続部分の ゴムカバーの形状などが一致して 本当に ポンづけで換装できるのかどうかが分からず、ステアリングラックを降ろしてみるまで 不安でいっぱいでした。

結果的に、切ったり貼ったりせず 完全にポンづけで 重ステに換装することができました。ここからは 元通りに組みつけるだけです。

ステアリングラックのブッシュを交換する

モノタロウのリビルトラックを買いました。

▲↑▲ ステアリングラックの ゴムブッシュが交換してあるかどうか 疑問に感じたので、交換することにします。

▲↑▲ このブッシュは 交換せずに そのまま色を塗られている予感がしました。

▲↑▲ 塩ビパイプを使って ブッシュを外します。

▲↑▲ 長いボルトと ナットと 座面の広い座金を組み合わせて、プーラーのように使います。

▲↑▲ ゴムブッシュなので、小さな力で 抜けていきます。

▲↑▲ 両側ツバ付きのブッシュなので、ブッシュを圧入する作業に 工夫が必要でした。

▲↑▲ このように セットします。このブッシュは 取りつけ方向に おそらく指定があります。(サービスマニュアルには 書いてありませんが、取りつける向きによってステアリングラックに入力があったときの動き方(ブッシュの変形)が 変わります。 )

▲↑▲ 下からのぞくと こんな感じです。

▲↑▲ ボルトを いい塩梅に 締めこみつつ、ツバの部分を 先を丸めた マイナスドライバーで 押しこみます。

▲↑▲ シリコンスプレーを使いつつ ゴムブッシュを破らないように ちょっとずつ 押しこみます。

▲↑▲ つばの部分が入ってしまえば、残りは小さな力で ブッシュが圧入できます。

この作業も 地味に 大変でした。最初は どうやってブッシュを圧入していいのか分からう、もともと ついていた古いブッシュを壊しながら 何回か試行錯誤しました。本当に苦労しました。両側ツバ付きのブッシュの 正しい圧入の方法を知りたいです。

▲↑▲ ブッシュの印の向きを このようにそろえました。

▲↑▲ 車両前方側のブッシュ ダイハツ純正品番:45516-B2090

▲↑▲ 車両後方側のブッシュ ダイハツ純正品番:45516-B2100。車両の前側と後ろ側で ブッシュの内径が異なります。

交換するステアリングラックの ブッシュ交換も終わり、あとは 本当に 元通り組み立てるだけです。

取り外したボルトやナットなどは、油や泥や錆などを できるだけきれいに洗浄してから 組み立てます。

エッセに重ステラックを取りつける

リヤ側のエンジンマウントを取りつける前に、電動パワステ用のラック(重ステラック)を のせるだけ クロスメンバーの上に のせます。

▲↑▲ エンジンマウントを組んでしまうと この部分が通過しなくなるので、ステアリングラックを のせるだけ のせて ネジは締めません。

このとき クロスメンバーは ミッションケースの上に のっているだけの状態になります。ミッション付近を ジャッキでささて エンジンが 落ちてこないように注意します。(といっても 前側2つのエンジンマウントで エンジンは 支えられていますので 落ちてきません。)

ここまで 素人には とても大変でした。待望の瞬間でした。

リヤ側のエンジンマウントを取りつける

ステアリングラックが おかしな場所に はさまれないように注意しつつ リア側のエンジンマウント(エンジンマウンティング リヤ インシュレーターASSY)を取りつけます。

▲↑▲ ステアリングラックの位置を動かしつつ、外していた リア側のエンジンマウントを組みつけます。

▲↑▲ このボルトを通すのに コツが必要です。クロスメンバーを持ちあげつつ エンジンを前側のエンジンマウントを支点に クルっと回すようなイメージで、ボルト穴の位置を そろえます。

▲↑▲ 家出していた(脱落していた)ナットです。エンジンが揺れるときに キュッキュッと音が出ていましたが、このナットを組みつけて 音が止まりました。

▲↑▲ クロスメンバーを止めていたボルト類も 元に戻します。

▲↑▲ ステアリングの 左右の回転数に差が無いことを確かめつつ、ステアリングシャフトのユニバーサルジョイントを組みつけます。

タイロッドエンドを組みつける

タイロッドエンドも ガタが出ている可能性が高かった(ユルユルだった)ので、新品に交換します。

▲↑▲ 値段が安かったので 大野ゴム工業株式会社の 代替品を使います。

(タイロッドエンドASSY 右側 ダイハツ純正品番:45046-B9220 ⇒ 大野ゴム品番:AS-1001)(タイロッドエンドASSY 左側 ダイハツ純正品番:45047-B9160 ⇒ 大野ゴム品番:AS-1002)

▲↑▲ およそ 似たような形状です。

▲↑▲ 規定トルクで締めつけてから、自分で緩めて締めたボルトには すべて マークを入れています。

トーを調整する

タイヤをつけて ようやく着地しました。

クロスメンバー(フロントメンバー)を 脱着しているし、タイロッドエンドも 脱着しているので、トー調整をする必要があります。

▲↑▲ このように 地面に タイヤの溝の位置を写し取り 巻き尺で測り タイヤの前後幅の差を 限りなくゼロに調整します。

▲↑▲ このときに ステアリングラックブーツが ねじれないように、また タイロッドを どのくらい回したか分かりやすいように、いろいろな部分にマーキングをいれながら、トーを調整していきます。

何回か試走して ステアリングホイールの頂上が 真上を向くように、左右のタイロッドを同じ方向に 同じ回転数だけ回して 調整します。

気が済むまで トーの調整と ステアリングホイールの向きの調整を行います。また、緩めて締めたボルト類に ゆるみや 締め忘れがないかどうか、違和感のある音が出ていないかどうかなど 慎重に確かめながら試運転をします。

これで完成です。エッセが重ステになりました。部品を調べてから 実際に組みつけるまで、長い道のりでした。

見ての通り タイヤが145幅しかないので、ハンドルは そこまで重くありません。(といっても 久しぶりの重ステは やっぱり重かったです。ハンドルの回し方を変えないと 対応できません。左折で 大回りしそうになります。)

以前 乗っていた重ステの車はFRでした。FFで 重ステの車に乗るのは 今回が初めてです。FRとFFで ハンドルに伝わってくる情報が ちょっと感じが違うということが分かりました。

タイヤのたわみを感じることができます。操舵する(舵 かじをきる)と ハンドルは重くなります。舵を切ったまま(だをあてたまま)アクセルを開けると ハンドルは 戻る方向に 如実に回ろうとします。

そういう当たり前の物理が(パワステによって)隠されていることが よく分かります。やっぱり重ステは楽しいです。運転が楽しくなります。

パワステレス(パワステを撤去したこと)による パワーアップ感は ほのかに感じる程度です。

(エッセくん えぴそーど18)タイヤとホイールを交換する ⇒ エッセのタイヤを交換してもらう

(エッセくん えぴそーど16)重ステラックに換装するための準備 ⇒ エッセを重ステにします 重ステ化 前編