ダイハツ エッセくん DBA-L235S の ファンベルト(補機ベルト)を交換します。
ファンベルトというベルトは?「ファンベルト」という名称(俗称?)で 呼ばれていますが、実際のところ ラジエターの冷却ファンは モーターによって駆動していまして(電動ファン)、ファンを回すお仕事は していません。
では ファンベルトは どのような お仕事をしているのか というと ⇒
エンジンの(クランクシャフトの)回転が クランクプーリーを経由して取り出された先で
- オルタネーター(交流発電機)と ウォーターポンプを駆動する(これがファンベルトと呼ばれているベルト)
- エアコンのコンプレッサーを駆動する(エアコン用のベルト)
- パワーステアリングのポンプを駆動する(パワステ用のベルト)
これらの 補機類を動かすために 合計3本のベルトが かけられて、それぞれの役割分担で お仕事をしています。
右前のタイヤを取り外して のぞきこむと こんな感じになっています。
エッセ ファンベルトの純正品番
3本のファンベルト(補機ベルト?)を交換するにあたって ダイハツ純正部品の品番を調べました。
エッセには 前期 中期 後期の 3タイプが存在し、うちのエッセくんは おそらく前期型です。(2005年11月から 2007年9月生産までが前期型、2007年9月から 2008年6月生産までが中期型、2008年6月から2011年9月生産までが後期型。だと思われます。たぶん。)
調べた結果、エアコン用のベルトだけ、前期中期後期で別々に 3種類の品番が存在することが分かりました。
▼前期型に適合するダイハツ純正品番
- ファンベルト:90048-31063 ファンベルト
- エアコン用のベルト:90048-32126 クーラーベルト
- パワステ用のベルト:90048-31061 P/S ベルト
▼中期型に適合するダイハツ純正品番
- ファンベルト:90048-31063 ファンベルト
- エアコン用のベルト:90048-31074 クーラーベルト
- パワステ用のベルト:90048-31061 P/S ベルト
▼後期型に適合するダイハツ純正品番
- ファンベルト:90048-31063 ファンベルト
- エアコン用のベルト:90048-31083 クーラーベルト
- パワステ用のベルト:90048-31061 P/S ベルト
こんな感じで ファンベルトとパワステベルトは すべて同じ部品番号で、クーラーベルトだけが 前期中期後期で 品番が異なります。ふむ。
ベルトの断面形状
ベルトの断面形状が ファンベルトとパワステベルトは E字の形状なのに対し、クーラーベルトは 台形形状になっています。(うちのエッセくんは 2007年7月式)
▲↑▲ ファンベルトとパワステベルトには、断面がE字形状のベルトが使われています。
▲↑▲ クーラーベルトには、断面が台形形状のベルトが使われています。
そんなわけで ダイハツ純正部品の品番も分かったので、交換用ベルトを手に入れました。
ダイハツ純正部品にしようか それとも社外品にしようか どうしようか 迷いまして、バンドーさんちのベルト(バンドー化学株式会社)を選びました。
楽天市場で 3本セット(ファンベルト⇒4PK 745、パワステベルト⇒3PK 485、エアコンベルト⇒RAF K285)が 税込み2583円でした。
想像以上に コンパクトに パッキングされて 到着し、その小ささに驚きました。
クーラーベルトを交換します
エアコンのコンプレッサーを動かしている クーラーベルトから 交換の準備をします。
フロントバンパーを外して
インナーフェンダー(フェンダーライナー)も 外した方が 視界をさえぎるものがなくなるので 作業が しやすくなりました。
▲↑▲ どろよけ(マッドガード?)と 共締めになっている この部分(3か所)は、破壊しないと取り外せない構造の クリップ?と タッピングビスが組み合わされた固定方法になっていました。
▲↑▲ こんな形のクリップです ⇒ ダイハツ純正品番 90041-89021 グロメット スクリュ 税別119円
▲↑▲ これが エアコンのコンプレッサーです。HFC134aは フロンガス種類の名称。
もともと ついているベルトも バンドーさんちのベルトでした。
▲↑▲ 下からのぞくと こんな感じです。この丸い子が クランクプーリーです。
▲↑▲ オイルフィルターの上側、クランクプーリーよりもフロントバンパー側に、エアコンのコンプレッサーが 位置しています。
▲↑▲ コンプレッサーの下側を固定するボルトと
▲↑▲ コンプレッサーの上側を固定するボルトの 合計2本のボルトをゆるめることで コンプレッサーの位置を動かし ベルトの張りを ゆるめることができて、ベルトを取り外すことができます。
上側を固定するボルトの取付穴が 長穴になっていて、ベルトの張力を調整するために コンプレッサーの取り付け位置を動かせるようになっていました。
フロントバンパーを取り外したことで、光が入って明るくなるし 手も入りやすくなります。
エアコンのコンプレッサーを締結している 2本のボルトの締めつけトルクは 19.1±3.8Nmだそうです。
▲↑▲ これが取り外したクーラーベルトです。どれくらい使ったら交換するものなのか よく分かりませんが、まぁまぁお疲れな状態なのでしょうか。
パワステベルトを交換します
次は パワーステアリングのポンプと ウォーターポンプのプーリーにかかっているベルトを交換します。
▲↑▲ この 丸印をつけたプーリーが、ウォーターポンプのプーリーです。このプーリーから 写真の中で 上向きに張られているベルトが パワステポンプ(とウォーターポンプ)にかかる パワステベルトです。
この パワステベルトを 先に取らないと ファンベルト(オルタネーターとウォーターポンプにかかるベルト)を 交換することができません。
▲↑▲ パワーステアリングのポンプは エンジンの運転席側にあって ボンネットの上側から 目視することができます。
▲↑▲ レゾネーター(低速トルクを増強させるための空気だまり?)を取り外し、エアクリーナーボックスも取り外すことで、パワステポンプにアクセスすることができます。
▲↑▲ パワステポンプの上側を固定しているボルトと
▲↑▲ パワステポンプの下側を固定しているボルト(正しくはナット)の 合計2本のボルトをゆるめることで パワステベルトを ゆるめることが可能です。
▲↑▲ パワステポンプを固定している下側のボルト(ナット)の 取り付け部分が 長穴になっていて、パワステベルトの張りを調整することができます。
▲↑▲ この パワステポンプの下側を固定しているボルト(ナット)は すこし見つけにくく、ロングにリーチできるアダプターなどの工具が無いと ボルトにソケットが届きません。
上側のボルトの締めつけトルクが 21±4.2Nm、下側のボルト(ナット)の締めつけトルクが 15.7±2.9Nmです。
クーラーベルトと パワステベルトが外れると いよいよファンベルトを外すことができます。
ファンベルトを交換します
クランクプーリーと オルタネーター(交流発電機)と ウォーターポンプにかかっている ファンベルトを交換します。
▲↑▲ コイルが巻き巻きしてありそうな銀色いやつが オルタネーター(交流発電機)です。
▲↑▲ オルタネーターの下側を固定しているボルトと
▲↑▲ この写真の右側 丸印の オルタネーターの上側を固定しているボルトの合計2本を ゆるめます。さらに 写真の左側 四角印の(オルタネーターの位置を動かして ファンベルトの張力を調整している)ボルトを ゆるめる方向に回します。
そうすると、オルタネーターを フロントバンパー側に 傾けるように移動させることができて、ファンベルトをゆるめることが 可能です。
このときに オルタネーターをフロントバンパー側に いきおいよく 傾けると、オルタネーターにささっているコネクターの配線が、つっぱるようになります。
なので、あまり無理をすると オルタネーターにささっている配線をいためてしまう気がするので 注意が必要です。
オルタネーターを上下で固定してる2本のボルトの締めつけトルクは 44±8.8Nmです。この2本は メネジが オルターネーター本体に刻んでありました。
▲↑▲ 写真上側が新しいベルト。この断面がE字形状の 新しいベルトは ウレタンゴム?のような ちょっとボコボコして発砲しているような感触でした。
エッセのファンベルトを交換します
ここまでくれば あとは 来た道を 元通りに戻るだけです。
▲↑▲ このように マーキングを頼りに どのくらいまで ベルトの張力を強めればいいのか、いい塩梅を 少しずつ探ります。
僕の場合は(エッセくんは 完全に趣味の車なので)ベルトが滑って鳴いてしまう ギリギリの張力になるように 調整を行いました。
ぎゅーぎゅーに ベルトを張ってしまうと、ベルトがかかっているプーリーの軸受けに 多大な負荷をかけてしまいます。
それよりは 例えベルトが滑って鳴いたとしても、何度も張りを調整して、滑らないギリギリを狙う作戦で 作業を行いました。
さて。
エッセくんの場合は ここで 元に戻らずに、オルタネーター先輩とウォーターポンプ先輩も 新しいもの(おにゅー)に交換します。
(エッセくん えぴそーど4)ウォーターポンプとオルタネーターを交換する ⇒ エッセのウォーターポンプとオルタネーターを交換します
(エッセくん えぴそーど2)エッセに高級なエンジンオイルを飲ませる ⇒ エッセのエンジンオイルを交換します